1000日の心のつぶやき

【1000分の60日目】怒りの目を見つめて、ただ待つ朝

遊民
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怒りは、私の中に静かに渦を巻く。吠えた夜と行き場のない朝。思考と感情の波にただ身を委ねた一日。
ガーベラライン

今日は、週に一度の「BABAの日」だというのに、心がまったく晴れない。
原因は、昨夜のことだ。
私は、数年ぶりに吠えた。夫に、娘に、そして孫に対して。

きっかけは、孫の態度だった。

木曜日から初めての定期テストが始まるというのに、月曜日、塾の時間に間に合わないよう、わざとゆっくり帰ってきた。
1コマ目は休ませ、なんとか2コマ目から塾に送った。
火曜日は時間には間に合ったものの、途中で塾から電話があった。「やる気が出ないので早退したい」と。

さらには、月曜の2コマ目、実は塾に入らず、終わる時間まで近所をウロウロしていたという。
それを聞いた瞬間、口から言葉がこぼれた。

「もう、塾、辞めたら?」

すると、娘が喧嘩腰で割って入った。

「私が怒ったんだから、2人で怒ると可哀想でしょ。怒らないでよ」

カチンときた。

——昨日の孫の様子も知らないくせに。
——塾のお金も出していないくせに。
——ご飯を食べさせ、ゲームだけさせてれば子育て成功だと思ってるの?

「孫の将来、ちゃんと考えてる?
塾の件でお前に口出す資格はない。
そんなに言うなら、私に面倒かけずに、自分たちでなんとかして」

怒りは止まらなかった。
そして、その感情にさらに追い打ちをかけたのは、夫の言葉だった。

昨日のことだ。
夫が突然、こんなことを言ってきた。
「甥っ子の子どもの少年野球、遠征費のクラファンがあってさ、会社から少し寄付できないかな?」

思わず、耳を疑った。
数年前、「あいつとは絶縁だ!」って、あんなふうに怒鳴っていたはずなのに。

——ああ、仲直りでもしたのか。
一瞬そう思ったけれど、違った。

夜、かかってきた電話で詳しく聞けば、甥っ子と直接やりとりしたわけじゃなく、
頼んできたのは、義弟の“元”嫁——
今は義弟とは離婚し、別の家庭を持っているはずのその人から、だった。

義弟と別れてもう20年以上経つというのに、その元嫁が、平然と私の夫に頼みごとをしてくることに驚いた。
けれど、それ以上に、その人の「お願い」に応える夫に、怒りが湧いた。

モヤモヤが爆発した私は、思わずLINEに気持ちをぶつけた。
すると、すぐに「ごめん」とだけ返信があった。

——ああ、これ、いつものやつだ。
話を終わらせたいときの、「雑なごめん」。

あえて聞いてみた。「何が悪かったのか、言える?」と。
返ってきたのは、

「変なこと言って、色々考えさせてごめんね。言葉に気をつけて話すようにします」

——ほら、やっぱり何も伝わっていない。

私は、義弟の元嫁に腹を立てたわけじゃない。
その人と今も“繋がれる”夫に対して、怒っている。
しかも、それを疑問にも思わず、「深く考えてなかった」と逃げるその態度に、心底がっかりしている。

古い縁がそんなにも大事なら、私を巻き込まずに、それだけ抱えて生きていけばよかったんだ。

考える人がバカを見る構図なんて、もういらない。

「もう、いいわ」

そう打ち込んで、私はスマホの電源を切った。

夫はきっと、私の怒りが過ぎ去るのを、ただ待っている。
いつものように、黙って、じっと。

早朝、私は家を出た。
とりあえずバスに乗った。行き先は決めていない。
怒りがくれたエネルギーを持て余しながら、ただ遠くへ行きたかっただけ。

けれど、どこへ向かっても、思考の波は押し寄せる。

——これは、正当な怒りだったのか。
——私はまた、誰かを傷つけてしまったのではないか。
——全部、自分が悪いのかもしれない。

考えすぎないでいようと思っても、波は止まらない。
怒りという台風の目に、自分が巻き込まれていく感覚だけが、確かだった。

だから今は、何もしないでおこう。
私も、私の怒りが過ぎ去るのを、ただ静かに待とう。

ガーベラライン

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ABOUT ME
遊民
はじめまして、遊民です。 「死ぬまでにゆる~くやりたい100リスト」からスタートしたこのブログは、ある日夫が発した何気ない言葉をきっかけに、「1000日後に離婚する2人」へと進化しました。 夫婦関係を見つめ直しながら、自分自身を取り戻す過程を綴っています。 離婚も視野に入れつつ、できれば理解し合い、笑って人生を締めくくりたい――そんな想いで、日々の気づきや挑戦を記録中。 同じように悩む誰かのヒントや希望になれたら嬉しいです。