同じ気持ちでいられないことが、こんなに苦しいなんて。
理解はできても、心がついていかない私の、ある夜の記録。

答えが出ないまま、朝を迎えた。
夫は、私の返事を待っているだろう。早く答えてあげたい。でも、言葉が見つからない。
とりあえず、普段通りに過ごそうとしたけれど、無理だった。
夕方になっても答えは出ず、返事を先延ばしにするためにLINEを送った。
「昨日の孫ちゃんの件、〇がやってあげたい気持ちはわかるけど、
とても悲しくて、虚しい気持ちになりました。
無意識に相手の仏壇まで気にするほど心が残ってるんだなって思うと、
本当に申し訳なかったです。離婚させてしまってごめんなさい。
〇の気持ちをくみ取れるように、自分の感情を整理します。」
送信した直後、涙が止まらなくなった。
既読がついたと思ったら、すぐに夫から電話がかかってきた。
出たくない。出たくない――
鳴り続けるコールに、しぶしぶ電話に出る。
「むかつく。出たくなかったのに……」
涙声の私に、夫は笑いながら言った。
「泣いてるのか? あはは。
お前、真剣に考えすぎだろ〜。
何も、すぐにって話じゃないのに。
深く考える必要のない話だろ。あはは」
その声は、いつものようにはぐらかす調子で――
それ以上、耳に入ってこなかった。
これって、真剣に考えちゃいけないこと?
過剰に反応する私が悪いの?
深く考えるほうが、間違ってるの?
「ごめん。むかつくから切る」
そう言って電話を切ると、夫は笑いながら
「あまり深く考えるなよ」と言い、通話は終わった。
……なんなの、この温度差。
たしかに、私の連れ子のMも離婚して、実家に戻ってきた。
孫には塾も通わせているし、お小遣いも渡している。
そう思えば、夫が自分の孫にいろいろしてあげたいと思うのは、自然なことかもしれない。
納得できない私が悪いのかな。
また、いつもみたいに彼の選択を黙って見ているだけになってしまうのだろうか。
私は、本当はどうしたいの?
もっと納得できる答えは、見つかるのかな。
その夜も眠れそうになかったので、本でも読んで寝落ちしようとKindleを開いた。
Amazonプライムで読める本の中で、
『考えすぎない練習』というタイトルが目に留まり、
引き寄せられるように読み始めた。
「考えすぎて疲れる人」が、少しだけ楽になれる方法。
その言葉たちは、まるでそっと肩に手を置いてくれるようだった。「もっと、軽くなっていい」
「もっと、自分を責めなくていい」
まさに、今の私にぴったりの一冊だった。
読み進めるうちに、少しだけ呼吸が楽になった気がして、
その夜は静かに、ページを閉じた。

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