脳が悲鳴をあげたその日、健康センターでの運動が心のクールダウンになってくれた。

朝からデスクに向かう。
メールの山、未処理の書類、溜まった仕事たちが一斉にこっちを向いてくる。
「よし、やるか」
気合を入れたわけじゃない。ただ、やるしかないから。
赴任先ではPCが使えない夫のために、現地で事務処理をしてくれる人がいる。
月に5〜6日、その人が出勤するタイミングで、私の方も仕事が増える仕組みだ。
以前は、写真で送られてきた出勤簿を打ち直していたけれど、今はデータで送られてくる。
ほんの少しだけ、効率が良くなった。
今日は特に忙しい。
夫の帰省中はどうしても業務が止まりがちで、あとの帳尻合わせがやってくる。
Freee会計の入力に詰まると、chatGPTに聞く。
「借方・貸方、税区分……これは何費?」
わからないことが、どんどん増えていく気がして、苦笑いしながら画面を見つめた。
午後3時。
これまで長くお世話になってきた顧問税理士との契約を終え、新たな会計事務所とオンラインで顔を合わせた。
チャットワークというツールで、料金や今後のやりとりの説明。
Zoomに慣れたばかりの脳には、また一つ覚えるものが増えた。
顧問料の中に確定申告まで含まれているのはありがたかった。
何より、Freeeに特化している点が、今の私には心強い。
事務的な説明が一通り終わったあと、「ここまでたどり着けたんだな」と、ほんの少しだけ息をついた。
気づけば、首や肩がバキバキに固まっていた。
今日の仕事はここまで。
ちょうど孫も部活がお休みで、送迎もなし。
このタイミングを逃すまいと、私は健康センターに向かった。
「怒らないコツ」に書いてあった言葉をふと思い出す。
――1日1万歩、歩いた日は人は怒らない。
本当かどうかはわからないけれど、運動をしている間だけは、余計なことを考えずに済む。
動いて、動いて、帰ってシャワーを浴びて。
気がついたら、布団の上だった。
なにかを乗り越えた気がしたわけじゃないけれど。
そんな日も、悪くないと思えた夜だった。

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