【1000分の39日目】初BABAの日、ひとりライブと私の小さな革命
今日は、BABAの日の“プレ日”。
本格的に始めるのは来月からだけれど、今日はその準備運動みたいな一日だ。
朝から落ち着かない。ウキウキしているのに、どこかソワソワする。
「これでいいんだろうか」と、自分に問いかける声が、小さく胸の奥に響く。
孫と娘を送り出し、リビングにひとり。
Amazon MusicをBluetoothスピーカーに繋ぎ、サザンの曲を流す。
体重計、血圧計、スマートウォッチ……Bluetoothが当たり前のように私の朝を記録していく。
もし夫婦も結婚指輪で自動ペアリングできたら、どんなに楽だろう──そんなバカげた妄想が、ふと心をよぎる。
でも、すぐに苦笑いする。そんな機械仕掛けの関係で満たされるものじゃないことくらい、私はもう知っている。
気づけば、もうすぐ9時。
今日は「朝カラ」に行こう。前から気になっていた。
けれど、平日の朝にカラオケ……その背徳感に、どこかで勝たなくてはいけない気がした。
ほんの少しだけ、昔の自分が「そんなことしていいの?」と問いかけてくる。
受付の店員さんが優しく「機種、選ばれますか?」と聞く。
私の曖昧な笑顔に「お任せで大丈夫ですね」と微笑んでくれた。
周りを見渡すと、他の部屋にも朝カラを楽しむ人たちがいる。
「ああ、私だけじゃないんだ。」と、少し肩の力が抜けた。
レジで渡された、部屋番号入りのレシートのような紙に、QRコードが印刷されていて、ワンドリンクオーダー制のドリンクを注文する仕組みだった。
こんなふうに、私のひとり時間は始まった。
先日のサザンのライブを思い出し、新しいアルバムの曲を選んだ。
何曲か歌ったあと、本人が歌うライブ映像付きのカラオケがあることを知り、思わず選んでいた。
モニターには、あの日の熱気がそのまま映し出されたようだった。
視て、歌って、叫んで。
私だけのための小さなコンサート。
「こんなに声を出したの、いつぶりだろう」
声が震えるほど、気持ちよかった。
あっという間に12時。
会計は千円でお釣りがきた。
「これ、絶対に沼だ……」
初めにあった背徳感は、もう跡形もなく消えていた。
満足して店を出、スマホを確認すると、知らない番号からの着信とSMSが入っていた。
ネイリストさんからで、子どもの病気で予約を変更してほしいという内容だった。
「気にしないでください。来週水曜の15時以降なら大丈夫です。お大事にしてください」
そう返信しながら、自分の楽しむ予定を入れると、子どもたちの誰かが決まって病気になって、ドタキャンせざるを得なかったあの頃の大変さが胸によみがえった。
多分、着信だけなら返していなかっただろう。
ちゃんと丁寧に連絡をくれたその子に、どこか救われた気がした。
子育てはきっと大変だろうけど、頑張ってほしいと心の中でつぶやいた。
来週は病院の定期受診と白髪染め。
ネイルも入れれば、きっと忙しい一日になる。
でもそれは、「自分のための時間」。夜まで自由に使えばいい。
こんなふうに一日中自分のためだけに過ごすなんて、
かつての私が見たら、きっと驚くだろう。
午後は、外でランチにしようか。帰ってNetflix三昧もいい。
LINEマンガも読まなくちゃ。
初日からヲタクな私。
でも、人は急には変われない。
大事なのは、「今をちゃんと楽しむこと」。
保険の見積もりも気になったが、
──今日は、やめておこう。
いつも応援ありがとうございます。
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