1000日の心のつぶやき

【1000分の54日目】自由に選べる私になるまで——終わらせ方の設計図

遊民
遊民
夫とのすれ違いに疲れた私は、期待を手放し、自分の未来を静かに見つめ直すことにした。共有財産、ローン、自宅、旧車、家族LINE……数字と事実を見つめて気づいた、「もう頑張らなくても、自分の人生を選べる」という真実。
ガーベラライン

夫との個別LINEを開くたび、
なんだか自分が哀れに見えてくる。

高卒求人の件も、お盆の帰省の件も、夏季賞与の話も――
どれも、夫が乗り気でなければ既読スルーで終わる。

既読のマークだけが、私の気持ちをじわじわ削ってくる。

……そんな反応に、いちいち心を乱されるのも、もう疲れた。

だから私は決めた。
緊急でなければ、もうリマインドはしない。

「加齢でスマホ操作が苦手なのかな」とも考えたけれど、
それなら電話の一本くらい、かけられるはずだ。

――そんな期待は、ここで手放す。

それより、もっと建設的なことを考えたい。
たとえば、これからの自分の人生の話。

ゼロからのスタートだった私たちの生活。

だからこそ、夫名義の不動産も共有財産として扱えるはずだ。

私自身がコツコツと貯めてきたお金も、
あくまで私の収入であり、私の財産である。

夫の貯金が少ないのは、夫が使ったから。
そこに私が合わせる理由は、どこにもない。

さて、分けるとするなら、どう分けよう。

赴任先の土地と建物――リセールバリューがない。不要。
アパート――改装費が今後の家賃収入を上回りそう。これも、いらない。

自宅――ここはリフォーム済み。
将来的には、大学生向けのシェアハウスにするつもりで手を入れてきた。

なら、ここを私がもらおう。

軌道に乗れば、わずかでも家賃収入が期待できる。
ローンの残債だけがネックだけれど、
残された期間で繰り上げ返済を目指せば、十分に可能だ。

そうと決まれば、やるべきことは明確だ。

夫にとって、長男も長女も、すでに“家族”ではないのだろう。

家族LINEにさえ、彼らは入っていない。

離れて暮らすほうが、みんな楽だ。
誰に気を遣うこともなく、自由に会える。
夫も夫で、私に遠慮せず、娘や孫に会えばいい。
旧車の売却益だって、思うように使えるだろう。

……あれ? 旧車も、共有財産だよね。

と考えた瞬間、ふっと肩の力が抜けた。

修理代に600万円。
あれだけこだわったのだから、金額に換算すれば、ローンの残債くらいは返してもらってもいい。

そう思えば――

もう、頑張らなくても、自宅くらいはもらえるじゃん。

私、お金を貯めておいて、本当に良かった。

いざというとき、やっぱりお金は裏切らない。
気持ちじゃどうにもならない場面では、数字が私の味方をしてくれる。

こんなふうに自由に選べるようになったのは、
今まで、自分を後回しにしてでも頑張ってきたからだ。

……あの頃の私、ありがとう。

振り返れば、
反面教師のような親に育てられたことも、
いま思えば、ひとつのギフトだったのかもしれない。

原点に返るようにして、静かに思う。

――きっと、この時のために、そうであったのだ。

ガーベラライン

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遊民
はじめまして、遊民です。 「死ぬまでにゆる~くやりたい100リスト」からスタートしたこのブログは、ある日夫が発した何気ない言葉をきっかけに、「1000日後に離婚する2人」へと進化しました。 夫婦関係を見つめ直しながら、自分自身を取り戻す過程を綴っています。 離婚も視野に入れつつ、できれば理解し合い、笑って人生を締めくくりたい――そんな想いで、日々の気づきや挑戦を記録中。 同じように悩む誰かのヒントや希望になれたら嬉しいです。