1000日の心のつぶやき

【1000分の56日目】出血多量寸前の心と、静かな決意

遊民
遊民
夫との別離を決意した「私」が、心の痛みと静かな覚悟を綴る56日目の記録。
家庭と仕事、そして母としての役割のはざまで揺れながらも、
自らの人生を取り戻すための第一歩を静かに踏み出す。
ガーベラライン

夫と離れると心が決まってからというもの、驚くほど心が軽くなった。
まるで、何年も背負ってきた荷物を、ふと地面に置いたような感覚だ。
あのモヤモヤを抱えたまま、夫婦生活を続けていくのは、やはり無理がある。私の心が持たない。

あの時の一言。
「なあ、いいだろ?」と、まるで私が当然受け入れるものとして口にされたその軽口は、刃物のように私の心を抉り、見えない血を流させた。
傷は誰にも見えず、誰にも気づかれないまま、私の中で静かに広がり続けていた。
このままでは、出血多量で私は死んでしまう——そんな感覚さえ覚える。

私は、私を救うために、この選択をしなければならなかった。
でも、泣き寝入りする性格じゃない。
私は、私の全力をかけて、私が得るべきものは、きっちり夫から取り返すつもりだ。

とはいえ、頭を悩ませるのは、やはり子供たちのこと。
あの子たちのためにも、夫には今の経済状態を維持してもらわなければ困る。
会社を止めるわけにはいかないし、生活の土台を崩すわけにはいかない。

今日は、そのための一歩。行政書士の先生に会う日だ。
相談に加え、既存の許可に関する年度報告の手続きもお願いしている。
決算からもう4ヶ月以上も経ってしまったが、久しぶりに自分で作った申告書が正しいかどうか、念のため新しくお願いしている税理士さんに確認してからと思って、今日に至った。

許可の年度報告は年に一度のことなので、やろうと思えばできなくもない。
けれど、ややこしい書類を素人が思い出しながら整理するのは、なかなか骨が折れる作業だ。

今回は、経営業務の管理責任者を夫から私へと変更する手続きもあり、書類も多く、通常よりもさらに複雑になる。
だからこそ、専門家にお願いした。

来てくれたのは、事務所を構えていない、まだ駆け出しのような若い先生。
けれど、丁寧に話を聞き、こちらの話にも落ち着いて耳を傾けてくれる。
その姿勢に、私は好印象を抱いた。「ちゃんとしてそう」という感覚が、ふっと心を安心させてくれる。

前任の税理士さんがとても優秀で、社労士の奥様と一緒に、何でも一箇所で完結できていたあの頃が、少しだけ恋しい。
今は、案件ごとに専門家を探さなければならないのが、想像以上に手間で、少しだけ心細い。

それでも、新たな一歩にはこうした手間がつきものだ。
やはり、赴任先で新しく許可を取るなら、現地の行政書士がベストだという話になった。
それは、夫に任せるしかないのかもしれない。

だけど、夫に任せきりにしてしまうと、話が一向に進まないのもよく知っている。
しばらくは、私が通いながら進めていくことになるだろう。
タイミング的にも「2、3年後」と聞いているし、ゆっくりと整えていけばいい。

その間に私は、私の生活の基盤をつくる必要がある。
夫と同じく、面倒くさがりな人間に刺さる仕事なら、経験もあるし、貯金を少しずつ崩しながらでも、何とか顧客を伸ばせるはず。
生きていくには、きっと困らない。

私のように、夫から理不尽な要求を突きつけられても、我慢するしかない人もいる。
そう思えば、私なんてまだ幸せな方なのかもしれない。

次に選ぶ仕事は、もう一人きりで事務所にいるような働き方ではないものにしよう。
人と関わり合いながら、息の通った日々を送りたい。

そんなふうに、これからの生活に思いを馳せていたら、妄想が止まらなくなった。
なんだかんだで、忙しくも充実した一日だった。

ガーベラライン

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遊民
はじめまして、遊民です。 「死ぬまでにゆる~くやりたい100リスト」からスタートしたこのブログは、ある日夫が発した何気ない言葉をきっかけに、「1000日後に離婚する2人」へと進化しました。 夫婦関係を見つめ直しながら、自分自身を取り戻す過程を綴っています。 離婚も視野に入れつつ、できれば理解し合い、笑って人生を締めくくりたい――そんな想いで、日々の気づきや挑戦を記録中。 同じように悩む誰かのヒントや希望になれたら嬉しいです。