
「潮目が変わった」と表すのが妥当かはわからないけれど、夫に対する頑なな気持ちは、電話で2時間も話した日から徐々に薄れていった。
「孫の家を」という夫の思いは、私にとって「越えてはいけない境界線」であることに変わりはない。
ただ、その一点ばかりに目を向け続けるのも、正直、飽き飽きしている。
夫には「離婚を視野に入れている」ことや、会社移転を含めて冷静に話し合う機会が欲しいと伝えよう。
以前は「離婚を盾にしているようだ」と思われることを懸念して敬遠してきたが、私はもう、自分の気持ちに正直でいたい。
ただの事実確認だ。
まだ迷っているし、様子見の段階ではある。
それでも、このままでいけば離婚は私の中で確実になっていく。
できれば添い遂げられるようにと、私なりの対策を夫に宛てたノートに書いたこともあった。
しかし、それは理解してもらえなかった。
——でも、書き言葉と話し言葉では、伝わり方が違うのではないかと思えてきた。
もう一度、あのノートを書いた日に戻ろう。
あの言葉を受けてもなお、添い遂げたいという思いがあったことは事実だから。
たぶん、あの時の私は「相手に届くこと」をあまりにも急ぎすぎていた。
相手の理解よりも、自分の正しさを証明することに力を使っていたのかもしれない。
今なら、少し違う言葉を選べる気がする。
そのためには、私の中の「怒り」や「諦め」に、もう一度ラベルを貼り直さなければならない。
感情を整理しながら一つひとつ言葉にしていく。
たとえ沈黙が長くても、聞く姿勢を崩さない。
話し合いの目的は、勝ち負けではなく、これからを決めるためなのだから。
そして、相手の言葉を受け取った上で、私も自分の選択を決める。
添い遂げるのか、それとも別々の道を行くのか——。
どちらにしても、私は自分の人生を、自分の足で歩いていく。

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