遊民
これまでほとんど報告をしなかった夫が、今回は逐一状況を伝えてきた。秘密裏の処理ではなく、事前の相談がある──それだけで受け取り方は変わる。

午前中、夫からLINEが届いた。
「今月の下請けさんからの請求書、いつもより多いけど支払って下さい。建設業許可の為の見せ金。半額を請求します。わからなければ電話下さい。」
少し前、下請けさんが建設業の許可申請を進めていると聞いていたので、残高調整のためだろうと察した。
けれど、夫のやりたいことがはっきり見えなかったので電話をした。
話を整理すると、下請けさんの売上を多めに請求させ、翌月にその上乗せ分をこちらから下請けさんへ請求する──そんな流れらしい。
「そんな面倒な操作しなくても、借用書を作って短期貸付金で処理した方が、売上と切り分けられるしシンプルだよ」と伝えると、夫は「下請けに確認してみる」と言って電話を切った。
30分ほどして、「下請けも税理士に確認するって言ってたから、返事少し待って」と連絡が入る。
お昼には「お前のやり方がいいそうだ。金額は後で」と夫から電話が来た。
これまでほとんど報告をしてこなかった夫が、今回は逐一状況を伝えてくれるから、落ち着いて待つことができる。
下請けさんも夫も、それぞれ仕事をしながらのやり取りだろうから、スピード感がないのも当然だ。
午後になっても連絡はなかったので、「金額決まったら報告して、借用書用意するから」とLINEで送っておいた。
こういうことは、帳簿の流れが頭に入っていないとイメージしづらいのだろう。
外注費や売上計上を秘密裏に操作されるよりは、事前に「報告・連絡・相談」があった分だけ、良い方に受け取ることにした。

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