【1000分の9日目】わかっていても──期待半分、諦め半分な夜。
午前中、実家の弟から同居中の父親の件で電話があった。
「おやじったらさ〜」で始まるこの電話は、
父親が自分勝手なこと、嫁が父親の世話をしないことなどの文句で終わる。
実家の父は、もう81歳だ。
包括支援センターにでも相談すれば、いくらかの介護認定がもらえ、 デイなどの福祉サービスが使えるようになり、弟も楽になるはず。
何なら、父を捨てて実家を出たっていい。
この件で電話がくるたびに、私の答えも決まっているというのに。
「飛行機で行くしかない距離で良かった」
(近くにいても、父のことなんて世話しないけど)
父とは、亡くなった母の件でもいろいろあり、 実家から足が遠のいて久しくない。
冷たい娘……。
「こんな時、アドラー的にはどうなんだろう?」
「だめだ、あいつ(父)だけは愛せない」
そんなふうに自問自答している時、LINEの通知音が鳴った。
夫からだ。
お疲れ様です〇〇発沖縄行
〇日か△日 沖縄発〇〇行◇月□日予約お願いします
よろしくお願いします
え? 〇日って、明日?
急いで、夫の指定する格安航空券のサイトを開き、金額を確認する。
夫は、空席を確認できても、自分で購入することができない人。
予約しました。
最終確認メールが届き次第送ります
×/〇〜◇/□です
了解です。
そんなやり取りを終え、 「まあ、得意な方がやればいいや」と自分を納得させる。
でも、この時期に突然の帰省?
もしかして「私のことを、心配してくれた……?」
と、一瞬、思った。
が、すぐに、旧車の車検が終わったので、 赴任先に送る手はずを整えるためだと気づく。
でも、もしかして……。
期待半分、諦め半分な、そんな夜だった。
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