今日、事務所で作業してたら、FAX専用で置いている電話に「NTTのコールセンター」を名乗る押しの強いお姉さんから電話があって、そのやり取りから察するに「詐欺」だと感じ、電話を切ったあと調べてみたら、案の定、「詐欺」でしたという話をまとめてみました。
アナログ回線は終了します。
固定電話のアナログ回線が終了する──
この“本当の話”に便乗した、詐欺や悪質な営業電話が増えています。
私のもとにも、突然一本の電話がかかってきました。
名乗ったのはNTTを装う人物。そして、言われたのは「回線が切り替わる」との案内。
でも、うちはNTTじゃない。
それなのに、切り替えの手続きが“必要”って…どういうこと?
この記事では、実際のやりとりを元に「見抜くポイント」と「冷静な対応策」をまとめました。
「アナログ回線が終了する」は本当。でも…
NTTは2024年1月から、段階的にアナログ回線(PSTN)をIP網に移行しています。
これは公式に発表されている事実で、NTTの固定電話を利用している人が対象です。
しかし、詐欺や悪質な営業電話は、この「回線切り替え」というキーワードを悪用してきます。
・契約者の不安をあおり
・本人確認を装って情報を引き出し
・勝手に契約を変更させる
──そんな事例が全国的に増えているのです。
実際にかかってきた電話の内容
コールセンターの“しかの”を名乗る人物から、そう切り出された時点で、違和感がありました。
なぜなら、我が家の回線はNTTではないからです。
「契約内容のわかる方、いらっしゃいませんか?」
と聞かれ、「私ですが…」と答えると、
「アナログ回線が終了し、IP電話になります。そのお手続きをこのお電話で…」
と続けてきました。
(うち、すでにIP回線なのに。何言ってんだろ、この人?)
「もしかして、NTTの回線を使っていらっしゃらないのですか?」
(ん?ここで電話会社を伝える義務ある?あ、詐欺っぽいな)
「いえ、コールセンターにかけ直しても“しかの”は対応できかねますので、今…」
と、たたみかけられました。
「“しかの”さん、ちょっと待ってください。先ほどからお伝えしている通り、こちらからかけ直しますので…」
「いえ、“しかの”が…」
──このくだり、まるでお笑いコンビ「千鳥」の、
人の言うことに耳を貸さない“はくべえ”のコントみたい(笑)
私は、コールセンターにかけ直した時に“しかの”が対応しなくても、全然平気ですって言ってるのに、
「それでは、“しかの”がまたお掛け直ししますので、その時に…」
と、食い下がる。
(折れないな〜、“しかの”)
「あの、“しかの”さん。今後はこのような営業電話は一切お断りしますので、失礼いたします」
と言って、こちらから通話を終了しました。
これは、相手が通話内容を録音していて、
電話口での一言が“契約同意”とみなされる可能性がある、極めて悪質な営業電話です。
“しかの”さん──
あなたのその鋼メンタル、詐欺師にしておくにはもったいなさ過ぎます。
(;^ω^)あ、うちにそういうのに引っかかりそうな人が約1名いたわ…後でLINEしとこ。
電話回線詐欺のよくあるセリフ集
よくあるセリフ | 実際の問題点 |
---|---|
「回線が切り替わります」 | NTT契約者なら自動的に切り替わる。手続き不要。 |
「今だけ無料で対応できます」 | 緊急性を煽るのは典型的な詐欺の手口。 |
「委託会社です」 | 正規の委託業者なら社名や代表番号を名乗れる。 |
「番号は出せません」 | コールセンターなのに番号を出せないのは不自然。 |
本当にある「アナログ→IP網移行」。だから騙されやすい
・2024年1月から、NTTが段階的に実施中
・対象はNTTの固定電話契約者(個人・法人)
・移行はNTT側で行われ、原則として利用者側の手続きは不要
・料金体系は基本的に変更なし
・他社(光電話・ケーブル電話など)はこの対象ではない
※詐欺の手口には、“少しの真実に嘘を混ぜる”という特徴があります。
私が取った対応(再現&推奨)
回線名を明かさない
折り返し対応を申し出る
コールセンター番号を確認(出せない時点で判断)
日時や会話内容をメモに残す
こうして冷静に応対すれば、相手が本物かどうかを見極めることができます。
💥電話回線詐欺って、どんな被害があるの?
「詐欺っていうけど、実際には被害ないんじゃない?」
──そう思った方へ、答えは “あります”。
この手の電話に対応してしまうことで、次のような具体的な損失=実害が起こる可能性があります。
📉 起こりうる被害一覧
被害 | 内容 |
---|---|
契約の強制切り替え | 「はい」と答えただけで、他社回線へ勝手に転用されることも |
月額料金の上昇 | オプションが強制的に追加され、知らぬ間に高額請求に |
電話番号が変わる | 切り替えにより、今まで使っていた番号が使えなくなるケースも |
解約金の発生 | 元の契約が「途中解約」扱いになり、違約金や残債を請求される |
ネットの品質が下がる | 回線事業者が変わることで、通信速度や安定性が悪化する場合も |
個人情報流出 | 気づかないうちに氏名・住所・契約内容などを話してしまう |
詐欺リストに載る | 一度対応すると「だまされやすい人」として営業・詐欺リストに登録される恐れ |
実際、こうした被害は全国の消費生活センターにも多数報告されています。
一見親切そうな「案内電話」のフリをしながら、相手の油断をついて契約変更に持ち込むのが典型的なパターンです。
不審な電話があった場合の相談先
相談先 | 電話番号 |
---|---|
NTT東日本 | 0120-116-116 |
NTT西日本 | 0120-019-000 |
契約中の電話会社 | マイページや請求書を参照 |
消費者ホットライン | 188(局番なし) |
国民生活センター | 03-3446-1623 |
📢 詐欺業者は、なにを狙っているの?
このような電話勧誘は、ただの“嫌がらせ”ではありません。
相手には、はっきりとした「金銭的メリット」があります。
💰 詐欺を仕掛ける側の主な狙い
契約件数に応じた報酬
実在する通信事業者の名前を使い、契約を取るとインセンティブ(成功報酬)が得られる仕組みがあります。高額オプションの追加
本来不要なサービスを勝手に付けて、月額料金をかさ増し。本人が気づかないまま請求されることも。個人情報の転売
電話で得た名前・住所・契約情報などを名簿業者に売ることで収益を得るケースもあります。詐欺・営業リスト化
一度でも対応すると「押せば通じる」と判断され、別の詐欺業者に情報が共有されてしまう可能性があります。
👉 つまり、「契約を取ること」そのものがゴールなのではなく、
あなたの個人情報とお金を狙っているのです。
高齢の家族がいる方へ──
電話回線詐欺から守るための心得
このような電話は、ご高齢の方が狙われやすい傾向にあります。
「NTT」「電話」「切り替え」といったワードは聞き慣れているだけに、疑いなく対応してしまうことも。
家族の間で、次のような対策をあらかじめ共有しておきましょう。
– 知らない番号には出ない(留守電対応を基本に)
– その場で判断・返答しない
– 電話口で「はい」と言うだけでも録音されるリスクがある
– “困ったら、まず家族に相談”を合言葉にしましょう
– 不審な相手には「書面で案内を」と伝えて即終了でOK
特に、1人暮らしの高齢者、電話に慣れていない方、律儀な性格の方は要注意です。
何より、「変だな?」と思ったら、迷わず電話を切ること。それが一番の防御策です。
まとめ
NTTのアナログ回線終了は事実(2024年1月〜)
ただし、NTT契約者であれば利用者側の手続きは基本不要
他社回線の場合、そもそも関係ない話
「回線切り替え」や「今だけ無料です」といった勧誘トークには要注意
不審な電話には、落ち着いて「検討して折り返します」と伝えてOK
念のため、通話内容や相手の名前をメモしておくと安心
特に高齢のご家族がいる場合は、事前に対処法を共有しておくと安心
└「電話で即決しない」「困ったら家族に相談する」の一言ルールが効果的です
あなたや、あなたの大切な家族が詐欺に巻き込まれないために──
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
本日も、最後まで読んでいただいてありがとうございました。