【1000分の37日目】伝言ゲームとクララが立ったデスノート
週明け。
事務員さんからLINE登録の案内が届いた。出勤していたらしい。
2、3の挨拶を交わして画面を閉じると、すぐに再び通知。
「注文書の件、いいですか?」
「注文請書はどうなっていますか?」
──注文請書?
この前、私がLINE・FAX・メールで夫に送った、あれのこと?
「ありますよ。夫からの返事待ちで保留中です」
「印紙を貼って送り返してもいいし、赴任先に送ってもらっても大丈夫ですよ」
(ていうか……なぜ事務員さん経由?このテンポ感、同じ空間にいるよね?)
もはや夫の行動は、私の理解の範囲をとっくに超えている。
仕方なく、こちらで処理し、〇〇建設に送付。
コピーは赴任先へ。
その旨を夫にも、念のためLINEで送っておく。
──二度手間すぎる。
もう、笑うしかない。
ついでに一言。
「あ、車。届きましたか?」
「無事着きました」
私は、返事の代わりに、スタンプでごまかす。
……元気そうで、何より。
「保険の件、今月末までに手続きしないと等級が引き継げません。
それ以降だと保険料が上がるそうです」
そんなLINEを送って、その日のやり取りは終了。
──そして夜。
夫から着信。
悪い予感しかしない。
案の定、自動車保険の話だった。
「〇〇さんと似た見積もりを保険屋が出してきてさ、
俺、ちゃんと伝えたって事務員に確認したら“そうですね”って言ってたのに、伝わってなくて。
……悪いけど、保険、お願いできる?」
うん、それは想定内。
でも──
「それから、デスノート届いたよ。ちゃんと返事書いたから」
……は?
え、今なんて言った?
「えー!!書いてくれてありがとう。それだけでうれしいよ!」
質問の回答だけじゃない。
“返事”を書いた……と?
うそ……あの夫が?
私の中の何かが、ふわっと浮かび上がる。
これはもう、「クララが立ったーーー!!!」のハイジ状態。
嬉しさがにじみ出て、顔がにやけそうになるのを抑えるのに必死。
いや、抑えきれてなかったかも。
ああもう、だめだ。
うれしい。
心の奥で、ぽっと火が灯ったみたい。
……ねえ、ちょっとぐらい、うきうきしてもいいよね?
(でも、デスノートてw)
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