【1000分の41日目】保険屋の仮面と、帳簿の向こうの虚しさ
昨日、ようやく自動車保険の入力と入金を済ませた。
朝、夫にLINEを送る。
──おはようございます。
自動車保険、トータル436,390円です。
報告でした。
しばらくして、返信が届く。
──おはようございます。
だいぶ安く済んだね。
ネット割引などで、5台分あわせて6〜7万円ほど安くなったことを説明した。
新規の2台も等級が上がれば、次回はもっと安くなるだろう。
そう伝えて、やり取りを終える。
期日ギリギリで任された案件なのに、当然のように「ありがとう」のひと言もない。
私は沖縄にいる「保険のおばちゃん」なのだろう。
──夫は、現場以外のことは誰かに頼るのが当たり前だと思っているのかもしれない。
「〇〇がやってくれなかったから△△に頼んだ」
「□□のせいで大変だった」
そんなふうに、愚痴をこぼしては自分の手は汚さない。
私は、そもそも自分でやる前提で生きている。
だから心の中で「自分でやれよ」と何度つぶやいただろう。
今回も、保険屋のせいにして、結局私がやってくれたからそれで良し──。
そう思っているに違いない。
──まあ、いいけど。
月末、それより大事なのは入出金の確認だ。
大抵の会社は入金手続きを前日のうちに済ませているので、
遅くとも午後までには振込・振出は完了しているはずだ。
だから午後、Freeeの連携画面を開けば、わざわざ銀行まで足を運ぶ必要はない。
昼前、社用で外出した際、ふと次女の婚家の前を通りかかった。
平日なのに、旦那さんの車が停まっていた気がしたが、そのまま通り過ぎた。
帰宅後、昨日届いた郵便物を整理する。
うっかり次女宛ての配当金のお知らせを自分のものだと勘違いし、開封してしまった。
謝ろうとLINEを送ると、返ってきたのは「コロナだよ」の一言。
──えっ……何回目のコロナだよ。
体調は……大丈夫なんだろうか。
「もしかして、旦那さんも?」
そう送ると、「夫婦仲良く、コロナ」だという。
どうやらしんどい時期はもう越えたらしいが、嗅覚が戻らないのだとか。
胸をなでおろし、早い回復を願ってLINEを閉じた。
昼を過ぎ、Freeeの画面で入出金の確認をする。
同期ボタンをクリックし、数分待つ。
しかし1社だけ、どうしても入金確認が取れない。
朝、届いていたメールには、支払証明書とともに相殺分を引いた90万円の振込をするとあったはずなのに。
──ああ、あの少し前にもめた会社だ。
契約金変更の請負契約書に、マイナスが付いていたっけ。
契約はもう終わったことになっているのかもしれない。
夫からは「〇〇建設の△△が悪くて」と、例によって他責の報告しかなかった。
とにかく、こちらは働いた分はきっちり回収しなければ。
数日待って、電話を入れよう。
ほかの入出金処理を済ませ、その日の仕事を終えた。
帳簿でしか会社の動きを把握できない社長に、どれだけの意味があるのだろう。
──いっそ、会社ごと引っ越して、夫を社長に据えた方がいいのかもしれない。
そんなことさえ、頭をよぎった。
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